Linux ネットワークを学ぼう その1

現在、インターネットにより様々は機器が、ネットワークとして接続されていますが、独自のルールでは、通信に不都合が発生する為、ネットワークの基本的な設計方針が必要です。それを定めたものがOSI参照モデルです。
OSI(Open Systems Interconnection)参照モデルとは、国際標準化機構(ISO:International Organization Standardization)により策定されたコンピュータなどの通信機器の通信機能を、階層構造に分割したモデルです。
OSI参照モデルでは、通信を行うネットワークを7つの階層に分けて各層のルール(プロトコル)に従って通信を行います。
プロトコルとは、通信をする上で守らなければいけない約束、ルールです。

名称概要
7 アプリケーション層ブラウザやメールなど、アプリケーションの指示に従ってデータを送る
6 プレゼンテーション層文字化けなどがないようにデータ形式を変換する
5 セッション層通信の開始と終了を決める
4 トランスポート層エラーやミスのないように通信する
3 ネットワーク層データを送るための通信経路を選ぶ
2 データリンク層直接つながっている機器の通信方法を決める
1 物理層電気やケーブルについてのルール
OSI参照モデル

色々なプロトコル

インターネットでやり取りを行う為に、色々なプロトコルが目的ごとに用意されています。

種類説明
TCP(Transmission Control Protocol)ネットワーク通信において信頼性を確保するためのプロトコル。
IP(Internet Protocol)IPはネットワーク上のIPアドレスを規定し、ネットワーク経路の制御を行う。
HTTP(Hypertext Tansfer Protocol)Webページのやりとりするのに使う。
HTTPS(Hypertext Tansfer Protocol Secure) HTTPにセキュリティのための暗号化や認証の機能を付けたもの。
FTP(File Transfer Protocol)ファイルを転送する時に使う。
SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)メールを送信、転送する時に使う。
POP3(Post Office Protocol version 3)メールを受信するときに使う。
IMAP4(Internet Message Access Protocol version 4)メールを受信するときに使う。メールはサーバー上で管理する。
NTP(Network Time Protocol)ネットワークに接続した機器の時計を正しい時刻に合わせる時に使う。
インターネット通信で使われる色々なプロトコル

IPアドレス

IPアドレスは、ネットワークに接続された機器の割り当てられて、送信元や送信先の住所となるアドレスです。
IPアドレス(IPv4)は32ビットの「0」と「1」からなる2進数で表します。
通常は8ビットごとに「.」で区切って10進数で表記します。

IPアドレスには、32ビットのIPv4(Internet Protocol ver 4)と、128ビットのIPv6(Internet Protocol ver 6)があります。

IPアドレスとサブネットマスク

IPアドレスも住所と同じ様に市町村名と番地から構成させています。市町村名に相当する部分をネットワーク部、番地に相当する部分をホスト部と言います。
このネットワーク部とホスト部を識別する為に利用するのが、サブネットマスクです。サブネットマスクは、ネットワーク部に「1」、ホスト部に「0」を割り当て区別します。

ネットワーク部が同じであるIPアドレスは1つのネットワークに属していて、同じネットワークに属しているコンピュータ同士は、直接通信を行う事が可能です。また、別のネットワークに属しているコンピュータとは、ルータを介さなければ通信ができません。

クラス

IPアドレスにはクラスという考え方があります。クラスは、ネットワーク部とホスト部をあらかじめ決められたビット数で分割する方法で、クラスAからクラスEまであります。通常はクラスAからクラスCが利用されます。

クラスサブネットマスクIPアドレスの範囲
A255.0.0.00.0.0.0 ~ 127.255.255.255
B255.255.0.0128.0.0.0 ~ 191.255.255.255
C255.255.255.0192.0.0.0 ~ 223.255.255.255
クラス

CIDR

クラスによるIPアドレスの配布単位では、IPアドレスが無駄に消費されることもあり、現在ではCIDR(Classless Inter-Domain Routing)と言ったクラスにとらわれずにネットワークを分ける仕組みが一般化しています。
CIDRでは、ネットワークアドレス部を1ビット単位で扱うことができます。
ネットワーク部はサブネットマスクで区別しますが、サブネットマスクを「/ビット数」で表すことができます。これをプレフィックス表記と言います。例えばネットワーク部が29ビットでホスト部が3ビットの場合、プレフィックス表記で表すと「192.168.1.128/29」のようにIPアドレスの最後にネットワーク部のビット数を「/」で区切って入れます。

グローバルIPとプライベートIP

インターネットで使うIPアドレスは、重複しない様に管理され、割り当てられています。このIPアドレスのことを「グローバルIPアドレス」と言います。
これとは別に社内や組織内のネットワーク限定で使用できるIPアドレスをプライベートIPアドレスと言います。
プライベートIPアドレスは、アドレスの範囲はクラスごとに決められています。

クラスIPアドレスの範囲
A10.0.0.0 ~ 10.255.255.255(10.0.0.0/8)
B172.16.0.0 ~ 172.31.255.255(172.16.0.0/12)
C192.168.0.0 ~ 192.168.255.255(192.168.0.0/16)
プライベートIPアドレス

ポート番号

IPアドレスによって、送信相手のコンピュータを特定でき、データを送信する事ができます。しかし、データを受け取るコンピュータで複数のアプリケーションが起動していると、どのアプリケーションまでデータを届けれな良いか分かりません。そこで、届ける先のソフトを識別する為の番号であるポート番号を指定します。
代表的なポート番号は標準化されていて、これをウェルノウンポートといい、0番から1023番まで予約されています。

ポート番号説明
20FTPデータ転送
21FTPの制御
22SSH接続
23telnet接続
25電子メール送信(SMTP)
53DNS(名前解決)
80Web(HTTP)
110電子メール受信(POP3)
123NTPサービス
443SSL/TLSによるHTTP接続
代表的なポート番号

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